九州大学総長 / アジア・オセアニア研究教育機構長
石橋 達朗
九州大学が主催する「Kyushu University Asia Week 2024」にご参加いただき、誠にありがとうございます。
本学は、九州の玄関口である福岡に位置し、地理的・歴史的にアジアに近いことから、開学当初より「アジアに開かれた大学」を掲げ、その地理的優位性を活かして、アジア・オセアニア地域の大学や研究機関との交流を進めてきました。
この豊富な研究教育の蓄積と実績を基に、当該地域で現在直面している社会的課題の解決、さらには将来予測される課題の発掘・提示を行い、アジア・オセアニアから世界を拓く学問領域を構築することを目的として、2019年4月に「アジア・オセアニア研究教育機構」を設立しました。
本機構は、部局横断型の全学組織として、学問分野を超えて、課題が生じている現地の要求に応じて(オンデマンド)、現地機関との現地での協働(オンサイト)により、SDGsをはじめとする地球規模の課題解決に取り組んでいます。2024年度には、学内の協力体制を見直すとともに現地での活動を本格化させるため新部門を設置するなど、その活動をさらに活発なものにしています。
また、本学は2021年度に「指定国立大学法人」の指定を受け、この構想を基に策定した「Kyushu University VISION 2030」では、目指す姿として「総合知で社会変革を牽引する大学」を掲げ、社会的課題解決とDXの推進に取り組んでいます。特に、複雑な社会的課題の解決には、自然科学、人文社会科学、さらにはデザインの知を融合させた「総合知」が必要であると考えています。
Asia Weekでは、アジア・オセアニア研究教育機構を中心に、九州大学のアジアに関する研究教育の実績や新たな展開を国内外に発信し、持続可能で多様な幸せ(well-being)を実現する社会の構築に向け、必要な「総合知」を皆様と共に探求していきたいと考えています。
今年度のAsia Weekは「Sharing Cultures – Enhancing Peace and Friendship(文化をシェアする-平和と友好のために)」をテーマに、若手研究者による研究発表、各国留学生会による活動報告、文化体験イベントなどを5日間にわたり実施します。
アジアの多様な文化に触れる機会として、ぜひご参加ください。