Kyushu University Institute for Asian and Oceanian Studies 九州大学 アジアウィーク 2023

Message from the President総長ご挨拶

石橋 達朗

九州大学総長 / アジア・オセアニア研究教育機構長
石橋 達朗


 九州大学が主催する「Kyushu University Asia Week 2023」にご参加いただき、誠にありがとうございます。

 本学は、九州の玄関口、福岡に位置することから、地理的・歴史的にアジアに近く、開学当初から「アジアに開かれた大学」を標榜してまいりました。この地理的優位性から、本学はアジアに関する膨大な研究教育の蓄積と実績を有しており、当該地域の大学・研究機関等との交流を通じた取り組みを進めています。

 この強みを生かし、アジア・オセアニア地域で今日生じている社会的課題の解決、さらには将来予測される課題を発掘・提示して、アジア・オセアニアから世界を拓き、長期展望の下に未来を拓く学問領域を構築することを目的とする部局横断型の全学組織として、2019年4月に「アジア・オセアニア研究教育機構」を創設しました。本機構は、学問分野の枠組みを超え、全学が一体となって研究教育活動を展開し、課題が生じている現地の要求に応じて(オンデマンド)、現地機関との現地での協働(オンサイト)により、SDGsをはじめとする地球規模の課題の解決・軽減に取り組んでいます。

 また、本学は2021年に「指定国立大学法人」の指定を受け、その構想を基に策定した「九州大学 VISOIN 2030」では、目指す姿として「総合知で社会変革を牽引する大学」を掲げ、社会的課題解決とDXの推進に取り組んでいます。特に、複雑で困難な社会的課題の解決には、自然科学から人文社会科学、さらにはデザインの領域の知を組み合わせ、あるいは融合させ、新しい知見や考え方による「総合知」が必要であると考えています。

 このAsia Weekでは、アジア・オセアニア研究教育機構を中心に九州大学のアジアに関する研究教育の実績や新たな展開の可能性を国内外に発信し、社会的課題の解決による持続可能で人々の多様な幸せ(well-being)を実現できる社会の構築に向け、必要な「総合知」とは何かを皆様と一緒に探っていきたいと考えております。

 今年度のAsia Weekは「アジアと出会う1週間」をメインコンセプトとして掲げ、地域研究をテーマに国内外の著名な研究者を集めたシンポジウムのほか、若手研究者等による研究発表、海外同窓生によるオープニングイベント、各国の課題に焦点を当てたワークショップなどを6日間にかけて実施します。

 「アジアを身近に感じ」、また「新しいアジアに出会う」ことができる様々なイベントを開催しますので、多くの皆様にご参加いただければ幸いです。